本日の「BTCインサイト」で扱った記事「ビットコインを買うにはもう遅すぎる?」「本質的な価値はない?」などの問いの1つに、ひときわ鋭い視点がありました。
もし中央銀行がビットコインを買い始めたら? それを“無限の紙幣”で買い始めたら?
これは、すでに起こっている(あるいは、すぐに起こりうるであろう)現実です。
本日の STACK SATS ニュースレターでは、この問いをさらに掘り下げ、
本当にそのような未来はありえるのか?
なぜ各国が金を買い始めたのか?
ビットコインにその役割が移る可能性は?
僕ら個人はどう行動すべきなのか?
について考えていきたいと思います。
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中央銀行がビットコインを買う未来はありえるか?
いま現在、FRB(米連邦準備制度)や日銀、ECBなどの先進国中央銀行がビットコインを直接購入するという事例は存在しています。
理由はおそらく、特にFRBは彼ら自身が“準備通貨”の発行主体であり、金やビットコインのような裏付け資産に依存せずとも、自国通貨の信用を維持できる立場にあるからです。
実際、ビットコインどころか、金の購入すら積極的ではないように感じます。
しかし、この構造は未来永劫続くのでしょうか?
もしドルの信認が相対的に低下し、外貨準備としての分散化圧力が強まれば、「脱ドル化(De-dollarization)」の流れの中で、
中央銀行がビットコインに目を向ける未来も想定されでしょう。
特に、制裁回避や分散化の象徴として、政治的な意味合いでの保有が始まれば、ドミノ的に拡大する可能性すらあります。
なぜ世界は金を買い始めたのか?
ここで過去を振り返ってみましょう。
ビットコインの歴史はまだ浅く過去の事例が少ないため、ここでは価値の保存手段として数千年の歴史を持つ「金」にフォーカスしてみます。
実際に「法定通貨を発行して金を買い支えた」例としては、特に次の国々が挙げられます:
(※イメージしやすいように、比較的”最近”の事例をピックアップしました)
ロシア(2014年以降)
経済制裁とドル資産凍結リスクを背景に、ロシアは金を実物資産として重視。制裁対象にならない"非政治的"資産として金を選んでいます。
中国(2000年代〜)
人民元の信用を高め、外貨準備の多様化を図るため、金準備を積極的に増やす。背景には、米ドルへの依存脱却という明確な戦略があります。
トルコ(2020年代)
通貨安とインフレからの信用防衛策として、中央銀行は金を買い増し、国民にも金の保有を促しています。
いずれも、自国通貨の弱体化や国際的圧力への対抗策として、“実物資産である金”が選ばれたことが共通しています。
金からビットコインへ:役割は移転するか?
技術的な前提条件として、ビットコインは金と同じく「誰の負債にもならない」「発行上限がある」資産です。
しかも、金とは違い(有利な特性として)、国境を越えて瞬時に移動でき、保有コストも圧倒的に低く済みます。
そのため、ビットコインは“デジタルゴールド”と呼ばれ、金の代替資産としての役割を徐々に強めているのは、みなさんもご存知の事実でしょう。
特に、国家間の制裁や送金制限が強まる中で、検閲耐性・流動性・希少性という観点から、中央銀行や政府系ファンドが検討対象にするのは時間の問題かもしれません。
もちろん、その道のりは政治的・制度的な抵抗に満ちています。
しかし「もし各国の中央銀行がビットコインを保有したら?」という問いは、決して荒唐無稽ではなくなりつつあるのです。
僕ら個人は、何をすべきか?
国が金を買い支え、やがてビットコインに目を向ける時代に、個人ができることは限られています。
しかし、「準備が早いか遅いか」で結果は大きく変わります。
だから僕らが取るべきアクションは、すでに明確です:
自分の資産の一部を“無国籍の価値”に変えること(= ビットコインを買う)
カストディ(管理)を中央から個人に戻すこと(= セルフカストディ)
中央銀行の動きを待つのではなく、それに先んじて行動すること
歴史が証明しているように、“刷られた紙幣”は必ず価値を失います。
だからこそ、自分の手中に“刷れない資産(=ビットコイン)”を持つという選択が、いま最も必要なのです。
さいごに
法定通貨を刷って”金”を買った国々。
やがて、それと同じ理由でビットコインを買い始める国が出てきます(いや、すでにそのような動きが見てとれます)。
その動きが本格的になったとき、僕らのような個人が今の価格でビットコインを買うことなど、たぶんもうできなくなってしまうのでしょう。
だから僕らが問うべきは「いつ買うか?」ではなく、 “中央銀行より先に買える最後のチャンスかもしれない”という自覚があるかどうかなのかもしれません。
本日のニュースレターは以上です。
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